• おやこやひろば
    2020/03/03 07:00

【東京・神奈川・千葉・埼玉】フラッグフットボールで頭と心を鍛える‼

フラッグフットボールがコミュニケーション力を育てる


みなさんは『フラッグフットボール』を知っていますか?
初めてこの名前を聞く方も多いかも知れませんが、体育の時間でプレーする小学校もあるスポーツです。
東京・神奈川・千葉・埼玉ではフラッグフットボールの普及活動を行う『NPO法人フラッグフットボール・マネジメント・ジャパン』の加盟クラブが34もあります。今回はそんなクラブの1つである、『菅生クラブ』(神奈川県川崎市)を取材しました。
フラッグフットボール、どんなスポーツなのでしょうか?

だれでも楽しめる‼ 戦略的陣地取りゲーム


フットボールと言えば、昨年にみんなに感動を与えたラグビーや、日本が世界ランキング上位に入っているアメリカンフットボールが有名ですね。フラッグフットボールもそれらのスポーツと同じく、楕円形のボールを使用します。

フラッグフットボールのルールのベースはアメリカンフットボール。パスをしたり、ボールを持って走ったりして、相手ゴールへとボールを持って入ることができれば得点(タッチダウン)です。ラグビーと大きく違うのは、前方にもパスができるところ。


タックルなどの危険なコンタクト(接触)はなく、腰につけられた攻撃選手のフラッグ(しっぽ)を取ることが、タックルの代わりになるので、子どもから大人まで男の子も女の子もだれでも安全に楽しめます。
1チームの人数は5人と少人数。選手たち自身が作戦を考え、全員が協力しながら1つのボールをゴールへ運ぶことを目指す戦略的陣地取りゲームです。

フラッグフットボールの試合は、前後半それぞれ20分にて行われます(学年などによってアレンジされます)。
野球のように攻撃側と守備側が明確に分けられ、攻撃側は4プレー以内に得点することを目指します。
パスやランでボールをつないでいきますが、途中でボールを地面に落としたり、フラッグを取られたりすると1プレーが終了。
止まった地点から次のプレーが行われます。


1プレーの時間はとても短く、あっという間です。
初めて見学すると、スピーディなプレーに驚かされますし、なにが起きたのかわかりません。
なので選手たちはいつも大忙し!
1プレーが終わったら40秒という短い作戦会議(ハドル)で次のプレーの戦略を相談し、時間がきたらすぐにプレーが再開されます。

それを攻守交代しながら繰り返し、時間内でより多くの得点を獲得したチームが勝利となります。
※詳しいルールはこちら(NPO法人フラッグフットボール・マネジメント・ジャパン 公式サイト内)をご覧ください。

優しいコーチの指導で楽しみながら成長する菅生クラブ


フラッグフットボール教室の練習は、チームの子どもたちの経験や年齢、また、担当するコーチによって、指導内容が少しずつ違います。
コーチがチームの特徴に合わせて、練習メニューを決めるからだそうです。
今回取材をさせてもらった菅生教室では、社会人アメフトチーム『LIXIL DEERS(リクシル ディアーズ)』の現役プレイヤーでもある小川悠樹おがわゆうきコーチと、『QB道場アシスタントコーチ』である清原貴顕きよはらたかあきコーチの指導の下、練習をしています。
今回取材した菅生クラブは男の子が多く活躍していますが、女の子も多数プレーしているそうです。

1レッスンは1時間で行われます。最初の30分で基礎練習、残りの30分で試合という風に時間を使うことが多いそうです。練習場所は主にグラウンドで、天候などにより体育館で練習を行うこともあります。
それでは、練習の様子を紹介していきましょう。

準備運動

クラブのキャプテンが「これからフラッグフットボールをはじめます」と言うと、
「お願いします‼」とみんなで挨拶をし、練習がスタートします。
キャプテンの先導で準備運動をし、体をしっかりと伸ばしたら、フラッグを装着‼
腰につけられたフラッグは「しっぽ」ともよばれています。

しっぽ取り(フラッグ取り)


最初はウォーミングアップ代わりのゲーム、「しっぽ取り」を行います。全員が腰の左右につけたフラッグを取り合う練習です。
コーチが笛を吹いたらスタート。コートの中で自由に動いて、攻めて守って走りまわります。1本でも多くしっぽを取ることを目指して相手の動きをよく観察して隙を突き、俊敏に体を動かしてかわしていました。
どこの教室でも、練習の冒頭は基礎練習としてこのしっぽ取りを行います。どう動けば上手にフラッグを守れるか、どんなタイミングで手を伸ばせばフラッグを取りやすいか、鬼ごっこのような感覚で楽しみながら習得します。
さらに、ペアを作って手をつなぎながら行ったり、走りと歩きを交互に繰り返しながら行ったりと様々なバリエーションがあります。

手つなぎしっぽ取りは、お互いを守りながら攻撃もするので、コミュニケーションや連携も重要ですね。

パスキャッチ

ボールを投げるという動作は、よく外で遊ぶ子ならドッジボールや野球などで経験があるはずですが、それでも楕円のボールは簡単にはいきません。丸いボールと違って持ち方や投げ方にコツが要りますし、風の影響も受けやすいので狙ったところへ投げるのは難しいです。
この日は高学年の子どもたちがコーチのアドバイスを受け、捕りやすいパスを投げる練習をしていました。
受け手もそのボールの動きをしっかり予測して落下点まで走り、ボールを見ながらキャッチできるように練習をします。
このように、投げる・取るという基本技術を習得していきます。

次は実践を想定した練習です。
攻撃側と守備側に分かれた2対2を、通常のコートよりひとまわり狭いスペースで行います。コーチが攻撃側のどちらか1人にパスをしたところからスタートし、相手をかわしてボールをゴールへ運びます。攻撃側のもう1人は守備側をブロックしたり、時にはもう一度パスを受け取ったりしてフォロー。必ずしも走るのが得意でなくとも、上手な連携や相手の動きを読み取ることができれば得点の可能性は高くなります。
守備側もボールの動きを読み、ボールを持っている人のフラッグを狙います。
このように、何通りもの攻撃パターンを反復練習し、試合に向けて作戦の幅を広げつつ技術を習得していきます。

試合


テクニックの練習が終われば、いざ実践! 子どもたち同士で試合をします。
コーチから練習したことを上手く使うようにとアドバイスが送られますが、試合が始まれば子どもたち自身で1プレーごとに作戦を考えます。
コーチは審判をしながらその様子を観察し、プレーが途切れた時に「この動きはよかったね!」「こうしたらカバーできたんじゃないかな?」と指導。
子どもたちは、作戦を考え、仲間と上手に共有し、次のプレーに向けて改善点を探る、ということを何度も何度も繰り返します。
色々な指導を受けながら経験を重ねて、楽しんで上達を目指していきます

先生紹介

ここで今回の取材にご協力をいただいた3人の先生をご紹介します!

寺田てらだ 隆将たかゆきさん

NPO法人フラッグフットボール・マネジメント・ジャパンの理事長で、コーチたちの取りまとめをしている寺田さん、子どもが大好きで、合宿などでも人気な素敵なコーチです!

  • 2007年アメリカンフットボールワールドカップ日本代表
  • OBIC SEAGULLSオービックシーガルズ選手(DB)
  • 桜美林大学アメリカンフットボール部ヘッドコーチ
「私たちは2002年からフラッグフットボールの普及・推進を進めてまいりました。現在は750名の子どもたちが加盟クラブに参加しています。子どもたちの成長に寄与できるよう、コーチ・加盟クラブが一丸となって頑張っています!!」

 

小川おがわ 悠樹ゆうきコーチ(菅生・富士森公園・Jr.ラクーンズクラブ担当)

NPO法人フラッグフットボール・マネジメント・ジャパン加盟 合同会社GRANDIRコーチ
「ゆうコーチ」は子どもたちの良いところをしっかり見つけてくれる優しいお兄さんのような存在。時には厳しく、楽しく全員に声をかけながら子どもたちを導いてくれます。

  • 社会人アメリカンフットボールチーム『LIXIL DEERS(リクシル ディアーズ)』現役選手(WR)
  • 立教大学アメリカンフットボール部コーチ
    富士森公園クラブ クーパーフットボールパーク富士森公園八王子富士森公園 毎週月曜日16:30-17:30
    Jr.ラクーンズクラブ 中央大学多摩キャンパスグラウンド 毎週火曜日16:30-17:30 ※時期によって時間の変動有り
菅生クラブでは私と清原、2名のコーチで指導しています。コーチ同士で常に指導の軸がぶれないように連携しています。子どもたちが今できないことを次にできるようになるために、安全に気をつけながら新しい技術や細かい動きも習得できる楽しいメニューを考えています。子どもたちがフラッグフットボールを楽しんでいる姿を見ると、「コーチになってよかったな」と感じます。

清原きよはら 貴顕たかあきコーチ (菅生クラブ担当)

存在感たっぷりの「きよコーチ」、校庭に響く大きな声で褒められるとなんだかやる気も倍増! 菅生クラブをよく知る名コーチ。いつもあたたかく子どもたちに接してくれます。

  • QB道場アシスタントコーチ
  • 社会人アメリカンフットボールチーム 『クラブハスキーズ』元選手
私が指導を担当する菅生クラブに集まってくる子どもたちは、年齢や家庭環境、性格や運動神経なども様々です。毎週1時間、いろんな子どもたちが集まりながら、それぞれ学びや経験を得る時間になっています。 まずは安全にスポーツを楽しみ、その上で約束を守ることやチームワーク、仲間とのコミュニケーションの大事さを知る。フラッグフットボールを通じて、「自分たちで考え」「判断して」「行動できる」人間になれるお手伝いをしたいと思って指導しています。

チームワークとコミュニケーションスキルが育つ


子どもたちがフラッグフットボールに取り組むことによって得られるのは、身体面の成長だけではありません。
心と思考の成長も、その一つです。フラッグフットボールは5人1チームの団体スポーツ。足が速かったり、投げるのが上手だったりする選手が一人いるだけで得点に直結することはありません。相手よりも1点でも多く得点するためには、戦略を立て、チーム全体で上手に実行していく必要があります。

フラッグフットボールには1プレーごとに選手たちだけで戦略を相談する作戦会議(ハドル)の時間があります。
この時間で子どもたちは、メンバーの個性を生かしたり、時には相手の意表を突いたりするような作戦を立てます。
そして、それを全員で共有した上で、作戦を実行します。 得点するためにはチームメイトのことをよく理解し、よく考え、上手に伝えるスキルが必要になるのです。『投げる・走る・捕る』というスキルと同じか、それ以上に『考える・伝える・理解する』スキルも大事なスポーツなのです。
毎回40秒という短い時間ですが、この40秒間が子どもたちにとってはチームワークとコミュニケーションスキルを養う、貴重な時間となります。


5人全員で行う作戦会議ですが、その場を主導する選手は特に決められていないそうです。
「大人がわざわざ指名しなくとも、経験者や年長者、発言が上手な子たちが自然とリーダーシップを取ってくれます」
そして、卒業などでチームメンバーが替われば、それまでお兄さんたちについていくばかりだった後輩が自然とみんなを引っ張っていくようになるそうです。
「それまでやんちゃでバラバラだった子どもたちが、高学年になって全体をまとめ、低学年を思いやり、役割をあたえ、一緒になって動く姿を見るのが楽しいんです」(小川コーチ)と子どもたちの成長していく姿を感慨深げに語ってくれました。


また、子どもたちは経験を重ねるごとに、大人も驚く作戦力を身につけていきます。
「練習で『コーチ2人vs子ども5人』というゲームをやってみたことがあるんです。ゲームが始まると後ろからボールを受け取ったフリをした2人が飛び出してきたので、コーチたちはその2人をマークしました。その瞬間ボールを持った子どもがまっすぐにゴールに飛び出していったのです! 子どもたちが考えた自由な作戦に『やられた!』と思いましたね。
ですが、子どもたちが自ら考えたことを思うと嬉しかったですね。公式試合ではこの作戦は通用しないのですが、僕の中では一番印象に残るゲームです!」(寺田さん)とても誇らしそうに話して下さいました。

保護者の声 

フラッグフットボールを習う子どもたちを見て親御さんたちはどのように感じているのでしょうか? お話を聞いてみました。

 

走るのがとても遅かった息子は、1年生からフラッグをはじめました。3年になり、「僕少し速くなったよ!」と自信がついた様子です。
スポーツテストのボール投げの成績がおもわしくなかったのですが、フラッグフットボールをはじめて、みるみる投げる力もつきました!
マイペースな子で、初めたばかりのときはフラッグを取られるたびに泣いていたようですが、今ではコーチから、「泣かなくなったね!」と言っていただきました。上級生のお兄さんたちとも仲良くなれて、楽しいようです。
年に数回行われる、同じエリアのクラブ生たちが集まって行う合宿があるのですが、そのお迎えにいった時、子どもの顔つきが少し変わったように感じました。「なにかやりきれたんだろうな」と感じて、嬉しく思いました。
幼稚園年長の子と6年生の兄が一緒に習っています。下の子はお兄さんたちと一緒にできることが嬉しいみたいです。運動が好きなので家でも兄弟でフットボールでのキャッチボールを楽しんでいます。

フットボールの魅力を日本中に!


それぞれのコーチに「どんな子どもたちにフラッグフットボールを勧めたいですか?」と質問しました。
すると、こんな答えが返ってきました。

  • 運動をあまり得意だと思っていない子
  • 団体スポーツ経験がない子
  • 答えの見つからないことを考えることから逃げてしまいがちな子どもたち

体を動かすことに苦手意識を持った子どもたちは、例えば体育でサッカーやドッジボールをしても積極的に試合に参加しないことがあります。自分がいることで迷惑をかけたくないと思ってしまったり、恥ずかしい思いをしたくないと思ったりするものです。
ですがフラッグフットボールは、走るのが速くなくとも、ボールが上手く投げられなくとも一人ひとりが活躍できるスポーツです。
球技が苦手だという女の子に、体育の授業でフラッグフットボールを行ったあとに感想を聞いてみました。
「フラッグは役割があるのでプレーに積極的に参加しないと迷惑をかけてしまいます。必ず自分が必要とされるので、手を抜いてプレーできないです」と答えてくれたそうです。
フラッグフットボールは友だちと協力し、自分の力が必要とされることの喜びや達成感、体を動かすことの楽しさを知れるスポーツなのです。
また、フラッグフットボールは選手たちの前には常にいくつもの選択肢があります。しかし、正解はいつも1つではなく、またどれが正しいのかもやってみなくてはわかりません。いつでも選手たちは考え、相談し、仲間と力を合わせてタッチダウンを目指します。
どんなことでもあきらめず考え、提案し、実行して失敗もして、自分を高めることを知る機会ともなるはずです。
他の競技や、人間性を育てることにも役に立つでしょう。

いつでも誰でも簡単に


フラッグフットボール・マネジメント・ジャパンを2004年に立ち上げた寺田さん。
「日本代表選手としてアメリカで過ごしていた頃、公園では子どもたちがフットボールを投げ合う姿をよく見ました。日本でもこんな風景が見てみたいと感じたんです」
そして、子どもたちが気軽に楽しめるスポーツとして、取り上げたのがフラッグフットボールでした。
「アメフトはタックルもあるし、ケガをする可能性もありますからね。その代わり、アメフトの良さをギュッと詰め込んだフラッグフットボールが子どもたちにとって身近なスポーツになればと思ってスタートしました。
人との繋がりを深め、精神力や体力を養える素晴らしいスポーツだと思いますので、これからも日本での普及に努めていきたいと思います」
誰もが自分なりの長所を生かして、仲間と一緒にフィールドで活躍できるフラッグフットボール。
熱くて優しいコーチたちの力とスポーツとしての魅力が合わさって、これからもっと人気のスポーツになっていくのではないでしょうか。

その他教室情報

東京・千葉・神奈川・埼玉にてクラブが活動中‼
各クラブの詳細については、地域ごとのクラブ紹介ページをご覧下さい。
東京エリア
千葉・埼玉エリア
神奈川エリア

クラブへの参加をご検討の方は以下よりお問い合わせください。
初回は無料にてフラッグフットボールを体験できます。
TEL:03-3635-3502
E-Mail:info@flagfootball.jp
※年会費・月会費等に関しては、指導時間や運営形態によってクラブごとに異なります。お問合せ時にご確認ください。

その他の地域でフラッグフットボールを楽しみたい方は是非こちらもご覧ください。
公益財団法人 日本フラッグフットボール協会 JAPAN FLAG FOOTBALL ORGANIZATION(JFFO)

インタビューを通して

私の息子もフラッグフットボール教室に通っています。インタビュー前、アメフト経験者だというガッシリしたコーチたちは強いチーム作りを目指しているのかと思っていました。
ですが、予想とは違い、子どもたちの成長を敏感に感じ取り、一人ひとりの取り組みをしっかりと見ています。
パソコンなどを持ち歩き、コーチ同士でチームの情報を共有し仲間の繋がり、チーム力を高めるコーチの指導を目の当たりにしました。

とってもまっすぐでピュアなコーチたちのもと、フラッグフットボールを思い切り楽しみ、「自分を大切に」「優しく」「考えることができる」ことが身につければいいな、と息子を見守っています。

編集部  ちほママ

NPO法人フラッグフットボール・マネジメント・ジャパン 寺田隆将・小川悠樹・清原貴顕
2004年に創立以来、日本でのフラッグフットボールの普及活動を推進。2020年2月現在、関東で34の加盟クラブが活動中。体験イベントの開催やフラッグフットボールを使った地域活性イベントの企画・運営、学校などでの授業訪問、フラッグフットボールクラブの設立サポートやコンサルティング、企業の研修やレクリエーションの実施サポートなどを行う。
Site
東京都 江東区猿江一丁目8番16号402
記事をかいた人
中学時代体操部に入って以来、体操が大好きになりました。 3人のこどものママです。こどもたちに協力をしてもらい、過去体操のコーチとしてお仕事をさせてもらった経験を生かし、からだを使ったあそびや練習などを教えれたらいいな。とおもっています。また、趣味や特技を紹介し、オヤコヤクエストをきっかけに子供たちと勉強をしながら、リクエストぼうけんも、つくっていきたいとおもっています。

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